内村颯太の右耳に触れている手に関する論考

1 課題の設定

本稿は2018年12月20日に刊行された「Myojo 2019年2月号」の73ページに掲載されたある画像に関して考察を試みるものである。

同誌内において、【5忍者 ムチャぶりカルタ大会】と題された記事は72ページから73ページの2ページに渡っており、テキストではカルタ大会中の和気藹々とした様子が報告されている他、半纏を身に纏った5忍者の面々が楽しげにカルタをしたり、こたつに入ってくつろいだりする姿が写真として掲載されている。

その中で本稿で取り上げたいのは下に示す《写真1》である。


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《写真1》

 

特に考察を要するのは画面一番左に位置する内村颯太の右耳付近である。

拡大したものを《写真2》として下に示す。

 


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《写真2》

 

内村の右耳に何者かの手が触れているのである。

本稿ではこの手の主が誰なのかを分析していきたいと思う。

 

2 仮説

5忍者は元木湧、川﨑皇輝、内村颯太、ヴァサイェガ渉、北川拓実(年齢降順)で構成されている。

内村の右耳に触れている手の持ち主は当然、内村を除いた4人のうちいずれかであるということになるが、内村とこたつを挟んで反対側にいる北川は写真内で右手がこたつの上にあることが確認でき、映っていない右手で内村の右耳に触れるのは常軌を逸しているため考察の対象とはしない。同様に両手がハッキリと映っている元木も考察の対象とはなりえない。つまり、仮説としては

(A)ヴァサイェガ渉の右手である。

(B)川﨑皇輝の右手である。

の二つしか成立しないことになる。 

 

3 (A)ヴァサイェガ渉説について

まずは(A)のヴァサイェガ渉の右手であると言う説について検証していく。

《写真1》における位置関係、距離から見て、内村の右耳に最も無理なく手を届かせることができるのはヴァサイェガ渉であると考えられる。

ただし現状、筆者はこの説に対しては否定的である。写真に映っているヴァサイェガの右肩の角度を見てほしい。肩の下がり方から鑑みて《写真3》に図示したように赤い矢印のような方向へ腕が伸びていくと考えるのが最も無理がないのではないか。無論、青い矢印のような導線を辿れば右耳に到達することも可能ではある。


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《写真3》

 

しかしそうであるならば、わざわざ右耳を選んでいる説得的な根拠は何だろうか。これは一般論、あるいは筆者自身の固定観念に過ぎないのかもしれないが、通常このような場面では肩かあるいは背中に手を置くのではなかろうか。そしてヴァサイェガの位置からなら、難なく肩や背中に手を置くことができるはずだ。

以上のようなことから(A)説については一定の根拠は認められつつも、やや難点が大きいように思われる。

 

 

4 (B)川﨑皇輝説について

次に(B)説について見ていこう。

身に纏っているのが半纏であるというのが思考を難しくしているが、川﨑の右手が内村の右耳に向かっているとすれば《写真4》の緑の矢印のようになろう。


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《写真4》

 

その場合、川﨑の腕の長さがやや余ってしまうのではないかという懸念はあるが、川﨑の身体は彼から見て左半身がやや前に出ていると見られるため、その点で以て解消することはできないか。ただしこれはより立体的な情報が得られない限りは検証するのが難しいと言わざるを得ない。

次に生まれる疑問は川﨑の右手が床ではなく、内村の右耳にあるとしたら、どうやって彼の身体は支えられているのかということであるが、これについては左手がこたつに触れているのが明らかなことから、その左手とこたつによって支えられていると見ることができよう。あるいはこの写真が撮られた瞬間が《写真5》のような状態から左側へと身体を傾けている途中であるとすれば、左手が身体を支えていなかったとしても、この後全身ごと左に向かって倒れていくということになり、右腕によって体重を支えられていなくても不都合はない。


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《写真5》

 

そして注目すべきなのは内村の頭が川﨑の右腕に密着していることである。これこそが二人が《写真5》のような状態から左に傾いているということの根拠となる。そして右耳に触れている手が川﨑のものであるとすれば、川﨑が自身の方向へ内村を引き寄せているということにもなり、それに伴い内村の頭が川﨑の右腕に密着していると見ることが可能だろう。

また以下はこの事象に対する論拠としては成立しないだろうが、《写真6》のように川﨑と内村は隣、あるいは前後に並んだ際にどちらかがもう一方の身体に触れるということも珍しくない。


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《写真6》

 

5 結び

以上のような観点から《写真1》において内村颯太の右耳に触れているのは川﨑皇輝の右手であるという結論を導出する。

無論、考察の材料が乏しいこと、それによりかなりの部分を推測の域で議論しなければいけないという課題は遺っている。